こんにちは、まりんばぁです。
私には90歳の母がいる。
実家は建て増しを繰り返して、部屋が2階も入れて7部屋ある。
私が実家に帰ってくる前までは、母は父が亡くなってから20年近く独りで暮らしていた。
それまで母が生活するのに居間と寝る部屋の2つしかほとんど使うことはなかった。
仏壇のある奥座敷は法事や来客などで年に数回しか使うことは無い。
半分以上の部屋は掃除をする以外に1歩も足を踏み入れないことが多い。
というのに、使っていない部屋には母の洋服類で埋め尽くされている。
全部畳の部屋で居間だけが洋室という実家なので、ほとんど押し入れしか収納がないのだが、押し入れを洋服ダンスの代わりに突っ張り棒を駆使して使用していて、それでも入りきれない洋服たちも棒を駆使して部屋中に吊り下げられている。
同じ色でスタイルもほぼ一緒のコートが何着もあったり、色違いのセーターやプルオーバー類、スカート、スラックス、帽子などものすごい量を所持している。
社交的で外出することの多い母は出かけるたびに違う服、コートを着る。
おしゃれでとてもいいとは思うが、外に着ていった服類を脱いだところで吊り下げていく。
その時の気分や行動で脱いだ場所が着替える場所になっているので、どこに何があるのか全然把握していない。
吊り下げるならまだしも洗濯済みもの、外で着用したもの、果てにはパジャマなどが混在して山積みされている場所もある。
たまに思い出したように要らなくなった洋服を私にくれるというのだが、肩パットが入った古いスタイルの物とかで到底今の時代にそぐわないもので困惑してしまう。
私が実家に帰ってくることになって一部屋をあけてくれるべく、その部屋に収納されていた服類が別の部屋に分散されていったわけだが、どれをどこにしまうという考えもなしに収納してしまったらしく、毎回「白いセーターをどこにしまったかわからない」とか「ベストがない」と探し回っている。
もう先が長くないと口癖のように発言している割には買い物のたびに新しい服を購入したりしていて洋服は増えていく一方だ。
おしゃれをやめろとは言わないが、せめて着たものは洗濯してくれないかなぁ。
その55 へつづく

